私達のキャッチボール
ピピピピピピピ
2年前の夢を見た。まだ野球をしていた頃の。
野球が楽しくて、楽しくて、本当に楽しくて。野球選手になることも考えていたくらいだった。
でも 今は違う
あの日から
私は 球を投げられなくなった
「おはよー!姫瑠(める)!今日みか達の部活ないよね?」
「うん。月曜だからね」
今私が入っているのは美術部。昔から絵を描くことは嫌いじゃなかったし、むしろ好きだ。漫画だって描いてた。
でも 何だろう
「おっはー」
私が今一番嫌いな人、佐伯が登校した。
佐伯は小学生の頃の同じクラブチームのやつで、2年前の小6まで一緒に野球をしていた。他のメンバーも全員同中に上がってきて他クラスにいるのが少し面倒。佐伯はもちろん野球部。(他のメンバーも)
ー放課後ー
「……」
「姫瑠どしたの?なんで野球部なんて見てるのさー 早く行こーよー」
「あそっか 蜜香咲(みかさ)は中学からだから知らないもんね」
「? えーなになに みかにも教えてー」
「……毎回思ってたんだけど蜜香咲の一人称さ、『蜜香咲』の『さ』はどこいったのよ」
「えー長ったらしいんだもん」
蜜香咲は結構自由なタイプだし、出身小学校が違うから私のことを知っていなくて一緒にいると楽だ。
カーン!!!
「えっ」
「姫瑠の方に転がってきたよ 取ってあげなよ」
「……」
持ちたくない 触りたくない どうせ握ったって肩が上がらないに決まってる
あの時のように
監督「姫瑠」
姫瑠「はい なんですか?」
監督「抑えはお前に任せる。」
姫瑠「え?」
監督「最後の試合だ。負けるわけにはいかない。今はぎりぎり1点差。今一番お前のセーブ数が多い。」
姫瑠「えっでもボク…」
監督「……打たれても仕方ない 点を取れなかった結(ゆい 佐伯の名前)や翔(かける 白石翔)、舞仲(まなか 安田舞仲)達も悪いからな」
姫瑠「…」
姫瑠「ハァッハァッ……」
佐伯「2アウトー!!!!!」
(満塁……大丈夫、こいつを抑えれば…勝てる…)
主審「ボールフォア!!!」
ワアアアアアアア
(投げなきゃ)
主審「ボール!!」
(投げなきゃ)
主審「ボール2!!」
舞仲「すいませんタイムお願いします」
姫瑠「……ごめん」
舞仲「大丈夫、落ち着いていこう」
舞仲「私のミットだけ見て投げて」
姫瑠「………うん」
(投げなきゃ)
主審「ストライク!!!」
(投げ)
主審「ボール3!!」
(投げ な きゃ)
姫瑠「…っハッ…ハッ…ハッ…ハッ…」
舞仲「姫瑠!!!!!頑張れ!!!!!!!!」
姫瑠「(ビクッ)」
(投げ…なきゃ)
姫瑠「投げっ な きゃ」
「震え 止まって……」
(投げなきゃ)
主審「デッドボール!!!」
「ゲームセット!!!」
あの日から 私は投げられない
「姫瑠」
「舞仲……」
「ボール取ってくれる?」
「あっ…」
ボールを握った途端 息が 苦しくなる
(投げなきゃ)
「っ!!!!」
コロッ……
「……ごめん姫瑠 私が取るね」
ガリッガリッ… 金具スパイクの音がコンクリートに響く。
「姫瑠」
「えっ? なにっ? どうしたの舞仲っ……」
「私 待ってるから」
「…………え」
「ただいまー」
「姫瑠 あのね、結くんから手紙が届いたのよ」
「?」
それは私へ向けた手紙だった。クラブチームの仲間の中で唯一小学校も一緒で、更にいつも教室で会うのに気まずさからか全く話さなくなってしまった…結。
『姫瑠へ
下手くそな字でごめん。なんとか解読して。
今日の舞仲とのやりとり、聞いてたんだけどさ、聞いてたというか見てた?どっちでもいいや。それでさ、俺も、待ってるから。
もしあの日のことまだ引きずってるならもう忘れろ、としか言えないかな。お前普段は先発だったのにさ、準備もさせずに急に抑えに回されてお前も嫌だったろ。ありゃ監督が100パーやばいよな。
それで……お前、本当は野球がやりたかったり…しない?もし野球がしたくなったら言って。みんなでいつもの公園で待ってるから。応援してる! 佐伯結』
「……お母さんごめん 公園行ってくる!!」
「え!? 今から!? もう6時半よ!?」
「ごめん!!」
走った。めいいっぱい走った。いなかったらどうしよう、そんなの関係ない。私はグローブとボールを抱えて公園についた。
「やっぱきた」
「……っ!!!!!」
「やっほー!姫瑠!!あたし4組になったから姫瑠がいる1組と逆方向で全く話せなかったから寂しかったよぉ」
「お前全然野球やってないんだろ?俺が鍛え直してやるよ」
「……眞(なお)、奏真(そうま)……」
「なあ」
「キャッチボール しようぜ」 ちきん。さん(東京・13さい)からの相談
とうこう日:2024年4月4日みんなの答え:1件
2年前の夢を見た。まだ野球をしていた頃の。
野球が楽しくて、楽しくて、本当に楽しくて。野球選手になることも考えていたくらいだった。
でも 今は違う
あの日から
私は 球を投げられなくなった
「おはよー!姫瑠(める)!今日みか達の部活ないよね?」
「うん。月曜だからね」
今私が入っているのは美術部。昔から絵を描くことは嫌いじゃなかったし、むしろ好きだ。漫画だって描いてた。
でも 何だろう
「おっはー」
私が今一番嫌いな人、佐伯が登校した。
佐伯は小学生の頃の同じクラブチームのやつで、2年前の小6まで一緒に野球をしていた。他のメンバーも全員同中に上がってきて他クラスにいるのが少し面倒。佐伯はもちろん野球部。(他のメンバーも)
ー放課後ー
「……」
「姫瑠どしたの?なんで野球部なんて見てるのさー 早く行こーよー」
「あそっか 蜜香咲(みかさ)は中学からだから知らないもんね」
「? えーなになに みかにも教えてー」
「……毎回思ってたんだけど蜜香咲の一人称さ、『蜜香咲』の『さ』はどこいったのよ」
「えー長ったらしいんだもん」
蜜香咲は結構自由なタイプだし、出身小学校が違うから私のことを知っていなくて一緒にいると楽だ。
カーン!!!
「えっ」
「姫瑠の方に転がってきたよ 取ってあげなよ」
「……」
持ちたくない 触りたくない どうせ握ったって肩が上がらないに決まってる
あの時のように
監督「姫瑠」
姫瑠「はい なんですか?」
監督「抑えはお前に任せる。」
姫瑠「え?」
監督「最後の試合だ。負けるわけにはいかない。今はぎりぎり1点差。今一番お前のセーブ数が多い。」
姫瑠「えっでもボク…」
監督「……打たれても仕方ない 点を取れなかった結(ゆい 佐伯の名前)や翔(かける 白石翔)、舞仲(まなか 安田舞仲)達も悪いからな」
姫瑠「…」
姫瑠「ハァッハァッ……」
佐伯「2アウトー!!!!!」
(満塁……大丈夫、こいつを抑えれば…勝てる…)
主審「ボールフォア!!!」
ワアアアアアアア
(投げなきゃ)
主審「ボール!!」
(投げなきゃ)
主審「ボール2!!」
舞仲「すいませんタイムお願いします」
姫瑠「……ごめん」
舞仲「大丈夫、落ち着いていこう」
舞仲「私のミットだけ見て投げて」
姫瑠「………うん」
(投げなきゃ)
主審「ストライク!!!」
(投げ)
主審「ボール3!!」
(投げ な きゃ)
姫瑠「…っハッ…ハッ…ハッ…ハッ…」
舞仲「姫瑠!!!!!頑張れ!!!!!!!!」
姫瑠「(ビクッ)」
(投げ…なきゃ)
姫瑠「投げっ な きゃ」
「震え 止まって……」
(投げなきゃ)
主審「デッドボール!!!」
「ゲームセット!!!」
あの日から 私は投げられない
「姫瑠」
「舞仲……」
「ボール取ってくれる?」
「あっ…」
ボールを握った途端 息が 苦しくなる
(投げなきゃ)
「っ!!!!」
コロッ……
「……ごめん姫瑠 私が取るね」
ガリッガリッ… 金具スパイクの音がコンクリートに響く。
「姫瑠」
「えっ? なにっ? どうしたの舞仲っ……」
「私 待ってるから」
「…………え」
「ただいまー」
「姫瑠 あのね、結くんから手紙が届いたのよ」
「?」
それは私へ向けた手紙だった。クラブチームの仲間の中で唯一小学校も一緒で、更にいつも教室で会うのに気まずさからか全く話さなくなってしまった…結。
『姫瑠へ
下手くそな字でごめん。なんとか解読して。
今日の舞仲とのやりとり、聞いてたんだけどさ、聞いてたというか見てた?どっちでもいいや。それでさ、俺も、待ってるから。
もしあの日のことまだ引きずってるならもう忘れろ、としか言えないかな。お前普段は先発だったのにさ、準備もさせずに急に抑えに回されてお前も嫌だったろ。ありゃ監督が100パーやばいよな。
それで……お前、本当は野球がやりたかったり…しない?もし野球がしたくなったら言って。みんなでいつもの公園で待ってるから。応援してる! 佐伯結』
「……お母さんごめん 公園行ってくる!!」
「え!? 今から!? もう6時半よ!?」
「ごめん!!」
走った。めいいっぱい走った。いなかったらどうしよう、そんなの関係ない。私はグローブとボールを抱えて公園についた。
「やっぱきた」
「……っ!!!!!」
「やっほー!姫瑠!!あたし4組になったから姫瑠がいる1組と逆方向で全く話せなかったから寂しかったよぉ」
「お前全然野球やってないんだろ?俺が鍛え直してやるよ」
「……眞(なお)、奏真(そうま)……」
「なあ」
「キャッチボール しようぜ」 ちきん。さん(東京・13さい)からの相談
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感動! ど-も、星依菜です!
× × × ーーー × × ×
とっても感動しました!
泣きそうになったぁ…
また感動のお話書いてほしいです!
× × × ーーー × × ×
ばいせな~! 星依菜/せいな #最近て−ふ気味さん(兵庫・11さい)からの答え
とうこう日:2024年6月19日
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- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの


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